はい。では、わかりやすく解説していきます。
また、活性酸素が増加する原因や、活性酸素が私達の身体にどんな悪影響を及ぼすのかなどについてもお話します。
活性酸素とは何かをわかりやすく解説します
●酸素と酸化
活性酸素の元になるのは酸素(O2)なので、まずは酸素についてお話しますね。
空気中にある酸素分子(O2)は、酸素原子(O)が2つ結合したものです。
酸素分子は、分子の状態でも電子の数が足りない不安定な状態です。なので、他の分子と結合して、その電子を共有して安定な状態になろうと狙っています。
そこで、例えば皮をむいたリンゴを置いておくと。。。リンゴが変色します。金属を置いておくと。。。サビがつきます。
このように、酸素はその他の物質にくっついて、「酸化」する働きがあります。
●活性酸素
呼吸により体内に取り込まれた酸素(O)は、その大半は水素(H)と結合して水(H2O)になります。ただ、素直に水にならないものも出てきます。
酸素分子は電子1個を余分に取り込んで「スーパーオキシド」という物質になったり、さらに水素を余分に結合して「過酸化水素」(H2O2)という物質になったり、さらには、過酸化水素が2つに分解された「ヒドロオキシラジカル」という物質になったりします。
これらの体内で変質した酸素は「活性酸素」と呼ばれています。ここで言う「活性」とは、より不安定で、より強い酸化作用を持つ状態のことです。
つまり、活性酸素になると、その他の物質と結合して酸化する働きが強くなります。
●良い働きと悪い働き
活性酸素は「悪」というイメージがありますが、良い働きも悪い働きもします。
【良い働き】
「免疫機能」の一部を担当しています。血液中の白血球で、体内に侵入したウィルスや細菌を攻撃するための武器として使われます。
また、日々体内で発生する「がん細胞」を攻撃・破壊してくれます。
体内で余った水素と結合して水にする働きもしています。
【悪い働き】
「敵」の攻撃に使われる活性酸素も、大量に発生しすぎると、今度は味方まで攻撃し始めます。
体内の正常な細胞まで酸化してしまうことで、身体にさまざまな悪影響を及ぼします。
どんな悪影響を及ぼすのかについては、後でお話する『活性酸素はどんな悪影響を及ぼす?』をご覧ください。
活性酸素が増加する原因は?
呼吸により取り込んだ酸素は、体内の通常の代謝活動の中で、約2%は活性酸素になると言われています。
これは必要な活動の副産物であり、【良い働き】のためにも使われます。
●活性酸素増加の原因
ただし、私たちの回りにある以下のような原因により、活性酸素は必要以上に増加する傾向にあります。
- 大気汚染
- 食品添加物など
- 医薬品
- 電磁波、放射線、紫外線など
- ストレス
- 激しい運動
●活性酸素を必要以上に増加させないためには
上記の原因を排除するか、抗酸化成分を摂取することです。
- 外から有害物質を取り込まない
- ストレス管理
- 健康な身体の維持
- 抗酸化成分を含む食品を摂る
以下に注意してください。
・タバコはなるべく吸わない。
・お酒を飲みすぎない。
・化学物質を含むものをなるべく口にしない。
・化粧品や洗剤などにも気を使う。
・紫外線やX線などにも気を使う。
・薬を飲みすぎない。
※神経質になりすぎない範囲で行ってください。
身体を健康に保つことも重要です。
実は、私達の身体には、活性酸素の発生を抑えたり、活性酸素によるダメージを軽減させたりする機能もあります。
身体が不健康な状態だと、このような機能もうまく働きません。
睡眠・食事・運動などをうまく管理して、健康的な身体を維持することが必要です。
ビタミンC・E、βカロテンやリコピン、ポリフェノールなどが、抗酸化成分としてよく知られています。
いろいろな食材からいろいろな働きの成分を取り入れられるよう、バランスのよい食事をしましょう。
活性酸素はどんな悪影響を及ぼす?
●老化
細胞の外側を覆う細胞膜が活性酸素と結びつくことで変質し、細胞が老化します。結果として、細胞が構成する組織も老化し、機能が低下します。
特に、運ばれてきた血中酸素を大量に使って活動する肝臓では、活性酸素が発生しやすいため、肝臓は活性酸素の影響を受けやすい臓器だと言われています。肝臓の老化による機能低下のために、疲れやすくなる、やる気がなくなるなどの症状が出ることがあります。
また、血中の悪玉コレステロール(LDL)と活性酸素が結びつくことで、結果として血管壁がダメージを受け、血管そのものも弾力を失い、硬く脆くなります(動脈硬化)。
●病気の例
- 肝炎、すい炎、腎不全など
- ガン、白血病
- 心臓病
- 脳血管障害
- 高血圧
- 糖尿病
- 肌トラブル
- その他
活性酸素によってダメージを受けることで、臓器が炎症を起こすことがあります。
活性酸素が、細胞膜にとどまらず、細胞深くまで入り込んでDNAを攻撃すると、ダメージを受けた細胞ががん細胞に変質することがあります。血液のがんと呼ばれる白血病も同様です。
心臓の筋肉に血液を送る動脈(冠動脈)で動脈硬化が起こり、血管が狭まることで、心臓病の症状が出ることがあります。
血流が悪くなったり、血流が完全に止まることにより、それぞれ狭心症や心筋梗塞を起こします。
脳の血管で動脈硬化が起こり、血管が狭まることで、脳の血管障害が起こることがあります。
脳の血管に血栓が詰まって、その結果、その先の脳組織が死んでしまうのが脳梗塞です。
また、動脈硬化で脆くなった脳の血管が破れることで、脳出血やくも膜下出血を起こすことがあります。
動脈硬化により血管が狭まり、血流がスムーズでなくなることで、血圧が上がることがあります。
すい臓の機能低下によりインスリンの産出量が減ってしまったり、ブドウ糖を消費できない状態になるなど、血液中のブドウ糖の量が増え、糖尿病になることがあります。
皮膚の細胞が活性酸素のダメージを受けることで、シミやシワができるなど、肌の老化につながります。
活性酸素は体内のあらゆる場所にダメージを与えるため、これ以外にも多くの病気の原因となる可能性があります。また、さまざまな組織の機能が低下することにより、総合的に病気の状態が作り出されることもあります。
まとめ
現代社会では、私達を取り巻く環境自体が、活性酸素を増加させる原因にもなっています。活性酸素を取り込まないように注意したり、積極的に抗酸化作用のある成分を取り入れたりと、一人ひとりが気をつける必要がありますね。
※活性酸素を除去するという「水素水」に関する記事を書きました。こちらもご覧ください。
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