妊娠中や産後に髪の毛がゴソッ!と抜けることは、多くの女性が経験することです。
普通は自然に回復しますが、しっかり対処すれば、抜け毛を回避したり、症状を軽くしたりできる可能性もあります。
この記事を読んで、妊娠中・産後の抜け毛対策をしてみてはいかがでしょうか。
妊娠後の抜け毛対策は?
●抜け毛の時期や程度は人それぞれ
一般的には、妊娠中抜け毛は少なくなり、出産後に大量の抜け毛があると言われます。
ところが、妊娠中にひどい抜け毛を経験する人や、妊娠中の抜け毛が出産後はなくなったという人もいます。
つまり、妊娠中・産後のいずれも抜け毛の可能性があり、いつ抜け毛が起きるかは人それぞれということです。
さらに、同じ人でも、例えば1回目の妊娠・出産と2回めの妊娠・出産で違うこともあります。
これは、例えば、男の子や自分の血液型と違う血液型の子供を産む時はつわりや抜け毛がひどくなる、という話もあるくらいで、状況により変わってきます。
ですので、ひどい抜け毛が妊娠中・産後のいずれで起きても驚かず、不安がらず、多くの女性が経験することだと思って、改善策を実施していきましょう。
一般的には産後数ヶ月~半年くらいの間に大量の抜け毛が起こり、長い場合でも1年もあれば自然に回復しますので、変に不安がらず、生活改善とヘアケアを続けてください。
●その状況下で健康的な生活を
漠然とした表現になってしまいましたが、基本的には一般的に言う健康的な生活をすることです。
ただし、妊娠中あるいは産後という特別な状況下では、妊娠前までとまったく同じ生活は送れません。
妊娠中で運動できないとか、つわりで食べられないとか、子供の夜泣きで眠れないとか。。。
そんな状況の中で、できる限り健康的な生活を意識して行動するようにしましょう。具体的な注意点は後でお話します。
●ヘアケア
健康的な生活で心身を整えた上で、さらにヘアケアに注意すると良いでしょう。
まずは、頭皮に強い刺激を与えないことです。
これは、「強くこすらない」など強い物理的刺激を加えないという意味と、「刺激のあるシャンプーなどを使わない」という強い化学的刺激を与えないという2つの意味があります。
一度妊娠後の抜け毛を経験した人の中には、次の時には「出産前に髪をショートにカット」して備えるという人もいるようです。ショートにすると、頭皮の負荷が減って抜けにくくなるし、なによりサッパリするという利点があります。
心配な場合には、育毛剤をつけてマッサージするのも良いでしょう。
育毛剤はいろいろありますが、私個人としては、日本伝統の美容法にこだわったというこちらの商品が気になります(こんぶとふのり(粉末タイプ) )。
妊娠中の抜け毛ケア
●妊娠中の抜け毛の原因は?
妊娠すると、ある女性ホルモンの分泌が活発になります。そのホルモンは、摂取した水分や栄養分を体内に蓄えようとする働きがあります。
この働きのため、毛髪の成長が促進され、髪の毛は抜けにくく、むしろ増えるというのが基本のパターンです。
妊娠中にひどい抜け毛はなかったという人は、この基本のパターンの人です。
ただ、突然ホルモンの働きが変わるため、ホルモンバランスの乱れから、発毛~脱毛のサイクルが短くなり、若い毛が抜けていくこともあります。
結果として、抜け毛が増える人もいます。
また、せっかく体内に蓄えられた栄養も、胎児への栄養に優先的に使われて、母親の身体の維持に十分使われなくなることもあります。
さらに、つわりで物が食べられなくなると、必要な栄養が十分摂取できないこともあります。
結果として、栄養不足により抜け毛が増えることもあります。
また、ストレスの影響も大きいです。妊娠中は妊娠前には経験しなかったような様々なストレスがかかります。このようなストレスや、身体を思い通りに動かせないことによる新陳代謝の低下などが、抜け毛を助長することになります。
●妊娠中の抜け毛の対策は?
実は、一般的な健康維持に必要な3つの要素に注意することが、抜け毛対策にもつながります。
【睡眠】
睡眠中に身体の調整が行われるので、良い睡眠を取るよう心がけましょう。
妊娠中は眠りが浅くなりがちです。少しの時間でも身体と脳を休めるようにしましょう。
【食事】
栄養をしっかり摂ることは、胎児の成長のみならず、母体の健康のためにも必要です。
妊娠中は、妊娠前よりも多くのカロリーが必要となります。
また、胎児の身体を構成するためのタンパク質を多く摂ることが必要になります。
その他、ビタミンやミネラルも多めに摂ることが必要となるものもあるので、基本的には、妊娠前よりもしっかり栄養を摂るという気持ちで食事をしてください。
以下のリンクは、厚生労働省による「日本人の食事摂取基準(2015年版)概要」です。この中で、各年代や性別、妊婦などが摂るべき栄養量の基準が示されていますので、参考にしてください。
↓
日本人の食事摂取基準(2015年版)概要
ただし、つわりで物が食べられない時は無理せず、つわりが治まってからしっかり摂るようにしましょう。
つわりがひどくて十分な栄養が摂れない場合は、まずお医者さんに相談すると良いでしょう。サプリメントなどを使うことも考慮に入れてください。
【運動】
妊娠中は激しい運動はできませんが、筋肉を作ったり、有酸素運動をしたりといった一般的な運動からは視点を変えて、運動を捉えると良いでしょう。
身体は同じ姿勢を続けていると、巡りが悪くなります。
淀んだ水は腐り、流れる水は清らかであるのと同じで、身体を動かさないでいると淀みができ、こまめに動かすことで体内機能が働き出します。
身体を動かすことは、気持ちにも変化を与えます。
気持ちが淀んでしまうことを避けるためにも、こまめに身体を動かして、気分を切り替えることをおすすめします。
産後の抜け毛ケア
●産後の抜け毛の原因は?
妊娠中に大幅に増加した女性ホルモンの分泌量は、出産を機に大きく減少して元に戻ります。
妊娠中、女性ホルモンのサポートのおかげで抜けずにいた毛髪は、ホルモンの減少によりサポートを失い、ごっそりと抜けやすくなります。
また、この時もホルモンバランスの乱れが生じるため、それが抜け毛の原因となることもあります。
さらに、例えば、授乳期間中の母体は通常より多くのカロリーや栄養素を必要とします。そこで栄養不足になりやすいですし、産後ダイエットなどで栄養の摂取を控えた場合は、さらに摂取する栄養量が減少します。
そして、出産という大仕事をした後の母体は疲れているにもかかわらず、赤ん坊の世話に追われてゆっくり休めず、心も身体もストレスがたまりやすい状況にあります。
多くのマイナスに働く要因を抱えているこの時期は、赤ん坊だけでなく自分の身体のこともケアしてあげないと、抜け毛だけでなく、体調を壊すことにもなりかねません。
●産後の抜け毛の対策は?
【生活管理】
妊娠中と同様に、睡眠・食事・運動についての考慮は必要ですが、「運動」については「気晴らし」や「リラックス」などに置き換えた方が良いかもしれません。
ただ、出産してからは、赤ん坊中心の生活になり、なかなか自分の生活という視点から考えるのは難しくなるかもしれません。
多くの女性は、この育児期間中、子供の世話だけでなく、家事もこなさなければならない状況になることが多いです。
子供の世話、家事などに追われて、自分の睡眠・食事・気晴らしが不足しないように、生活管理をすることです。
自分にとって必要な睡眠・食事・気晴らしなどを取れる範囲で、子供の世話や家事をするように、やることに優先度をつけて、もし一人では難しいようならば、他者の協力をあおぐことが大切です。
【協力をあおぐ】
一番の協力者は、あなたの旦那さんでしょう。
ただし、旦那さんが育児や家事に使える時間も限られているので、必ずしも旦那さんの協力だけですべてがまかなえるかどうかはわかりません。
そのような場合は、旦那さんの許可を得て、親やその他の協力を得ることです。
出産後落ち着くまでのしばらくの間は、できるだけ自分に負荷がかかり過ぎないように、他者の協力をあおぎましょう。
【睡眠・食事・気晴らし】
とにかくこの時期は、心身ともにストレスがかかりやすく、しっかりとした栄養を摂ることも大切です。
十分な休養を取ることを怠けることだとは捉えず、心身を回復するための準備と捉えて、ストレスのない生活を目指しましょう。
まとめ
妊娠・出産という、身体に大きな負荷のかかる時期です。少しバランスが崩れれば、抜け毛にもなります。
そんな大変な時期だからこそ、一人で頑張ろうとはせず、周りの人の協力をあおいで、余裕をもった生活を目指していただければと思います。