でも、節分に「いわし」って聞いたことあるな。そう言えば、鰯の頭が家にくっつけてあったりするし。。。
節分にまつわる「いわし」の由来と柊鰯、そこから派生したことわざについてお伝えします。
節分にいわしの由来は?
節分とは旧暦の大晦日。新年を迎えるための行事がいろいろあり、そのうちのいくつかは、今でも残っています。
豆まきで鬼を追い払い、福を呼び込む。恵方巻きで福を呼び込む。同じように「いわし」を魔除けに使います。
●節分にいわしを食べる
なぜ、いわしを食べるのが魔除けになるのか?諸説ありますが、次の2つが主な理由です。
- いわしは魚の中でも生臭い。いわしの臭さを鬼は嫌う。
- 脂ののったいわしは、焼くとたくさん煙を出す。鬼は煙が嫌い。
節分の日に、できればたくさん煙を出しながら鰯を焼いて食べましょう。頭は魔除けとして飾ります。
ちなみに、節分に鰯を食べる理由として、次のようなものもあります。
- 害虫駆除
鰯を焼く煙で、米を食べる「コクゾウムシ」が逃げる。 - 健康
冬場に起こる「冬季うつ」(日射量不足が原因)の予防に、鰯のDNAが効果的。その他、鰯の持つカルシウムその他の栄養分が、寒さを乗り切る良いエネルギー源となる。
●節分にいわしの頭を飾る
鰯の頭は、魔除けとして柊(ひいらぎ)と一緒に飾ります。理由は、鰯の頭の臭さと柊のトゲトゲを鬼が嫌うからです。これを「柊鰯」または「節分鰯」などと呼びます。
この動画のように、柊の枝をエラから入れて目から出す。鬼は「目を刺されてはたまらない!」と逃げていくというわけです。(枝の刺し方は地域などにより異なります。)
柊鰯は、鬼(邪気)が家の中に入ってこないよう、戸口の見えるところに置きます。
※折り紙で柊鰯を作るという動画は→コチラ
節分の柊鰯はいつまで飾る?
柊鰯を飾る期間は、地域によりまちまちです。一番良いのは、ご近所の年配の方に聞いて、ご近所に合わせることです。一応外に飾るので、周囲の目は気になりますからね。
飾る時期は、早いところでは1月16日(小正月翌日)というところもありますが、節分当日というのが多いのではないでしょうか。鰯を焼いて、頭は飾り、体は食べる。当日だとちょうどいいですよね。
柊鰯をいつまで飾るかについては、節分翌日にすぐ片付けてしまうところもあれば、2月いっぱい、中には一年中飾っておくところもあります。鰯の頭が猫に持って行かれて、残骸だけになったら片付けるというところもあります。
使い終わった柊鰯の処分方法は、正月飾りのようにお焚き上げで燃やしてもらったり、お清めしながら燃やしたり埋めたりするのが本格的ですが、紙に包んで塩で清めてから捨てればOKでしょう。
鰯の頭も信心からの意味は?
「鰯の頭も信心から」ということわざがあります。その元となるのが柊鰯です。
このことわざの意味は、鰯の頭のようなつまらないものでも、一旦信仰の対象となれば、ありがたいものになるというたとえです。
つまらないことを信じている人の信仰対象を「ありゃ、鰯の頭だな」のように揶揄するような使い方もできます。
逆に、つまらないと思えることでも信じて行動する時に「鰯の頭も信心からだ」と自分を鼓舞するような積極的な使い方もできます。
ことわざの使い方も、柊鰯などの慣習の扱い方も、その人の思い次第だということでしょう。
まとめ
節分に鰯を食べるというのは、主に西日本の慣習のようですが、柊鰯は東日本にも昔からある慣習です。最近失われかけている慣習のような気がします。このような慣習を残して行きたいものですね。