花粉症の根本対策は?舌下免疫シダトレン?ワクチン実用化?

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「毎年春先になると、花粉症に悩まされる。」

「そろそろ対症療法ではなく、根本的な対策が必要だと思う。」

そんなあなたに、根本対策・シダトレンによる舌下免疫法・花粉症ワクチンなどについてお伝えしていきます。

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花粉症の根本対策とは?

まず現時点では、注射を一回打っただけで、安全に花粉症を治せる治療法はありません

ステロイドホルモン剤を注射または内服することで、一定期間、花粉症の症状を改善するという治療法がありますが、強い薬物を使用しているため、副作用が出やすいという大きなデメリットがあります。(ステロイド系の軟膏を皮膚に塗るのは別です。)

また、鼻のレーザー治療は、鼻炎症状を抑えることができますが、時間とともに効果が薄れることもありますし、そもそも、花粉症の症状は鼻だけではありません。(毎年鼻の症状がひどい場合には、花粉症の時期になる前に治療を受けるのも、選択肢の一つとして考えても良いでしょう。)

現時点での根本的な治療法は、後にお話しする舌下免疫法です。ただし、すぐに効果が現れるという療法ではないので、以下には、当面花粉症の症状を軽減するための根本対策を挙げておきますね。

  • できるだけ花粉を寄せ付けない・付着させない
  • 花粉に対するアレルギー症状なので、実際のところこれが一番です。花粉の飛散量の多い日、多い時間帯にはなるべく外に出ない。マスクやメガネで鼻・口・目を守る。花粉をはじくスプレーや塗り薬を使う。家に入る前によく花粉をはたき落とす。うがい・鼻洗い・目洗い・洗顔をこまめにする。風呂に入って(またはシャワーで)体や髪をよく洗う。空気清浄機を使う。などなど、面倒がらずにできることをやるだけで、かなり違います。

  • 医者に診てもらう・薬を飲む(つける)
  • 餅は餅屋です。プロに診てもらうのが一番です。内服薬・点鼻薬・点眼薬など、自分の症状や希望に合った薬を処方してもらうのが一番です。病院に行くのは面倒ですが、市販薬を買うよりも、診察込みでも安上りになるのではないでしょうか。

  • 体調を保つ
  • 睡眠時間をしっかり取り、食事の栄養バランスに気をつける。

私の場合、空気清浄機はありませんが、花粉の季節は窓を開けられません。洗濯物も外には干せません。マスクは嫌いなので、なるべくクリアベール(鼻の穴の周りに塗り、イオンで花粉をはじく)で済ませますが、薬をしっかり飲み、点眼・点鼻薬もしっかりつけているので、花粉量が多い時期でなければ、これで対処できています。(さすがに花粉量の多い時はマスクをせずにはいられません。)

鼻の症状などがひどくなる人には、早い時期から医者に行って、薬を飲んだりつけたりして、マスクなど対策をしっかりしておくことをおすすめします。鼻は悪くなると蓄膿症になってしまい、そうなると、もう何をやってもダメ状態になってしまいます。

私の場合、かなり症状に影響するのは、睡眠不足です。睡眠不足をした翌日は、症状が倍増するため、花粉症の時期の睡眠には気を使っています。

うがいだけでなく、目や鼻をこまめに洗うのもおすすめです。かなり違いますよ。鼻から口に水を通さなくても(私もこれはできません)、鼻の穴に水を入れて穴の中を洗うだけでもスッキリします。

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花粉症に舌下免疫法シダトレン?

花粉症を根本から治療する方法は「アレルゲン免疫療法」「減感作療法」などと呼ばれます。アレルギーの原因物質を少しずつ体内に入れていくことで、その物質に対する過敏な反応を減らしていく、つまりは体の内部から花粉に慣らしていくという療法です。

以前は注射による方法が一般的でしたが、限られた施設でしか行われておらず、何ヶ月も毎週毎週注射を打ちに通うという治療法でした。

舌下免疫法は、注射ではなく、舌の下にアレルギー原因物質のエキスを垂らすことで、毎週毎週注射を打ちに行くという手間を不要にした療法です。

2014年10月に、舌下免疫法(スギ花粉)への保険適用が開始されました。同10月に発売された鳥居薬品の「シダトレン」が、保険適用された治療薬です。

毎週毎週注射を受けに行く手間はなくなりましたが、シダトレンはまだ新薬であるため、病院や薬局で一度に出せる薬の量は14日分まででした。つまり、2週間に一度は病院に行って処方してもらう必要がありました。

しかし、2015年10月にシダトレン発売から1年が経ったため、新薬の縛りが解除され、病院や薬局で一度に出せる薬の量が多くなりました。1ヶ月に1度ほど病院に行って処方してもらえば、後は自宅で自分で治療ができるようになったので、舌下免疫法を検討すにはちょうどいいタイミングですね。

ただし、舌下免疫法にもデメリットがあります。

  • 約2割の人には効果がない。
  • 毎日薬を投与する必要がある。
  • 数年間治療を続ける必要がある。
  • 即効性はない(すぐに効果は現れない)。
  • 現在日本で行えるのはスギ花粉のみ。
  • アナフィラキシーという強いアレルギー反応を起こす可能性がある。

病院へ行く手間は少なくなりましたが、長い期間毎日自分で治療しないといけないという手間は変わりません。また、結果として花粉症がなくなった、あるいは若干改善したという人が全体の8割ほどですが、中には効果が出ない人もいます。

舌下免疫法はスギ花粉が飛散している時期には始められません。スギ花粉が飛散する時期が過ぎてから、花粉シーズンが始まる数ヶ月前の間に始めたいところです。効果が出始めるまで3ヶ月くらいかかるため、今シーズンが終わったらすぐに、治療を行っている病院に行ってみてはいかがでしょう。

なお、アナフィラキシーを起こす可能性もあるので、必ず医師の指示に従って治療を行ってください。また、12歳未満、妊娠中、重篤な疾患があるなど、治療対象とならない場合もあるので、必ず医師に診てもらうことです。

花粉症ワクチン実用化?!

2015年1月、アステラス製薬はスギ花粉症治療ワクチンの国内開発への着手について発表しました。また、現在、理研と鳥居薬品がスギ花粉症治療ワクチンを共同開発中です。

これらのワクチンが実用化されるにはまだ時間がかかるでしょうが、実用化されれば、数回のワクチン投与で治療できると期待されています。また、より多くの人に効果があることが期待されます。アナフィラキシーショックの危険性も少なくなるとの見通しもあります。

私個人としては、根本的に花粉症を治療したいのならば、舌下免疫法で解決しない場合も想定し、まずは舌下免疫法を試みながらワクチンの実用化を待つのが良いと考えます。

まとめ

花粉症対策として、花粉からガッチリ自分をガードするのか、それとも根本的に治療するのか。私は両方を実行しながら、ワクチンの登場を待ちたいと思います。

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