「食べ物で何が好き?」と聞かれたら、「チョコレート!」と答えます。
好きだけど、あまり食べると良くないかな、と思って我慢してるけど。。。
チョコレートには高い健康効果があるんです。「え、じゃあもっと食べようかな。」
でも、健康に害を及ぼすこともあるんです。「。。。そうなの?」
アレルギーの原因になることも。「えーっ!」
そのへんのこと、お話していきますね。
チョコレートの健康効果とは?
●ハイカカオチョコレート
まず、チョコレートの健康効果を考える時、対象として考えるのはカカオ70%以上のハイカカオチョコレート(高カカオチョコレート)と呼ばれるものです。
普通のチョコレートにも、もちろんカカオが使われていますが、その割合は30~40%程度と低く、その他の砂糖やミルクなどの成分の方が多く含まれるためです。
カカオ分の多いハイカカオチョコレートは、健康に良いということでいろいろな種類が販売されるようになりました。
ただ、どうしても苦味が強く、ミルクチョコレートに慣れた人には食べづらいかもしれません。
ハイカカオチョコレートに抵抗がないという人は、適量摂ることで健康につなげていただければと思います。
●カカオプロテイン
カカオに含まれるタンパク質がカカオプロテインです。
このタンパク質は消化されずに大腸まで届き、そこで食物繊維のような働きをするため、便通が良くなる、腸内環境を整えるという効果があります。
●カカオポリフェノール
カカオに豊富に含まれているポリフェノール、それがカカオポリフェノールです。
カカオには、他の食品に比べて格段に多い量のポリフェノールが含まれています。
板チョコの2、3かけらも食べれば、リンゴ1個や赤ワイン1杯に匹敵するポリフェノールが摂れます。
ポリフェノールには抗酸化作用があり、身体をサビつかせる活性酸素に対抗する効果があります。
この抗酸化作用が、動脈硬化の予防につながったり、美容の効果をもたらしたり、アレルギー改善につながったりします。
また、ポリフェノールは血管を広げて血圧を低下させることで高血圧予防につながったり、ストレスを軽減したり、脳を活性化するなどの効果も期待できます。
●チョコレートの摂り方
上記のポリフェノールは、吸収が早く、効果も早く発揮されますが、その持続時間は長くありません。
したがって、同じ量摂るのでも、一度に食べるのではなく、一日に何度かに分けて食べた方が効果的です。
エネルギー補給のために間食として食べてもいいですし、脳の活性化を期待して勉強前などに食べても良いでしょう。デスクワークをしている人なら、仕事中にたまにつまむと、頭の活性化になって良いかもしれません。
チョコレートの効果を測るような実験では、毎日板チョコ1/3~半分くらいの量を食べて実験しますが、ふだんの健康効果を期待するならば、毎日少なくとも1、2かけら以上は食べた方が良いと考えられています。
チョコレートは健康の害になる?
上記のような事実から、「じゃあ、チョコレートをたくさん食べよう」と短絡的に行動すると、健康に良いはずのチョコレートも一転して害になります。
●カロリー・脂質
カカオ分の多いハイカカオチョコレートが良いと言いましたが、砂糖やミルク分が少ないはずのハイカカオチョコレートは、ふつうのミルクチョコレートよりもむしろカロリーが高いことが多いです。
これは、カカオの油脂(脂質)が多く含まれているためです。
また、ハイカカオチョコレートを100gほど食べると、それだけで中年女性の1日の脂質の目標摂取量になってしまうそうです。
一般的な板チョコが1枚50~60gくらいですので、ハイカカオチョコレートを板チョコ2枚分食べると、それだけで1日の目標量を超えてしまいます。
まぁ、板チョコ2枚分も食べることは少ないでしょうが、仮に板チョコ1枚分としても、1日の目標量の半分になってしまいます。
カロリーの面では、毎日板チョコ1枚程度食べても問題ないというのが栄養学上の考えのようですが、私の個人的考えでは、上限を板チョコ半分くらいにしておいた方が良いと思います。
実験結果では、その程度の量で十分効果が出ています。
チョコレートから摂るカロリー・脂質の量を、食事から摂るカロリー・脂質の量や、日常の運動で消費するカロリーと考えあわせて、あまり多く摂り過ぎないように気をつけましょう。
●テオブロミン・カフェイン
ハイカカオチョコレートでは、カカオの割合が多い分、含有されているテオブロミンやカフェインなどの量も増えます。
テオブロミンは、自然界ではカカオのみに含まれる苦味成分で、気管支を拡張したり、利尿、興奮などの生理作用があります。
カフェインも、利尿、興奮などの作用を持ちます。
これらの物質は刺激が強いため、子供やお年寄り、妊婦など、一部の人は注意する必要があります。
チョコレートがアレルギーの原因に?
チョコレートにも、アレルギーを起こす原因物質がふくまれています。
チョコレートには、以下の2つの異なるアレルギーの原因が含まれています。
●カカオアレルギー
カカオに含まれるチラミンという物質が原因物質とされています。
下痢・嘔吐・腹痛・鼻血などいろいろな症状があります。
●ニッケルアレルギー
カカオには金属のニッケルが含まれるため、金属アレルギーであるニッケルアレルギーを引き起こすことがあります。
金属アレルギーと言えば、アクセサリーでかぶれたりといった接触性の症例が多いですが、食べ物からの摂取で発症する可能性も報告されているため、注意が必要です。
●ヒスタミン
チョコレートには、ヒスタミンも多く含まれます。
このヒスタミン自体はアレルギーの原因物質ではありませんが、すでにアレルギーのある人は、ヒスタミンを摂取することにより、アレルギー症状を悪化させる恐れがあります。
花粉症などアレルギーのある人は、チョコレートの量は控えた方が良いでしょう。
まとめ
健康に良いハイカカオチョコレート。しかし、良い面だけ見て手放しに喜んでいるわけにはいきません。
なんでもそうですが、良いものでもやり過ぎれば毒になる。食事や運動との兼ね合いの中で、バランスのとれた適量を上手に摂って、健康増進につなげましょう。