サプリメントでビタミンの欠乏を防ぐのも大切なことです。
でも、ビタミンを過剰摂取すると、副作用がありますよ。
ビタミンの過剰摂取でどんな副作用が出るのか?摂取の基準量はどのくらいか?飲み合わせや飲むタイミングなどの注意点は?などについてお話していきます。
ビタミンの過剰摂取には副作用が!
ビタミンの過剰摂取は、過剰症という副作用を伴う恐れがあります。
●脂溶性(親油性)ビタミンと水溶性(親水性)ビタミン
ビタミンは大きく分けて以下の2種類があります。
【脂溶性(親油性)】
名前の通り、油に溶けやすいビタミンです。ビタミンA、D、E、Kなどが脂溶性ビタミンです。
吸収されやすく、尿として排泄されずに体内に蓄積されるため、過剰摂取が過剰症を引き起こす恐れがあります。
【水溶性(親水性)ビタミン】
名前の通り、水に溶けやすいビタミンです。ビタミンB1・B2・B6・B12、ニコチン酸(ビタミンB3)、パントテン酸(ビタミンB5)、ビタミンCなどが水溶性ビタミンです。
過剰に摂取しても、尿として排泄されるので、副作用は少ないと考えられています。
●主な過剰症(副作用)
【ビタミンA】
急性的には頭痛や嘔吐、慢性的には筋肉痛、疲労、骨障害などの症状が見られます。
特に気をつけたいのは、妊娠中の女性です。ビタミンAの過剰摂取により、流産や胎児の奇形が発生する恐れがあります。
妊婦の方は、次の項目『ビタミンの一日の摂取量の基準は?』に示す一日の摂取基準に従って、ビタミンAを摂り過ぎないよう注意してください。
ただし、野菜などの植物から摂るβ-カロテンについては気にする必要はありません。
β-カロテンは体内でビタミンAに変換されますが、その変換量は一定であるため、β-カロテンを過剰に摂ったとしても、変換して生成されるビタミンAの量は一定だからです。
ビタミンAの不足を感じているようなら、野菜のβ-カロテンから摂るのが安全です。
【ビタミンD】
カルシウムの吸収が促進されることによる高カルシウム血症の症状を示します。つまり、血中のカルシウム濃度が高くなることによる悪影響が出てきます。
多飲多尿、嘔吐、便秘、衰弱、倦怠、腎障害などの症状があります。
【ビタミンE】
ビタミンEは脂溶性ビタミンですが、他の脂溶性ビタミンに比べて過剰症が起こりにくいと言われています。
これは、摂取量が上がるほど吸収率が落ちること、全身に分配された末に体外に排泄されることなどから、過剰な蓄積が少ないためと考えられています。
ただし、まれに下痢になることがありますし、骨粗しょう症のリスクを高めるとも言われています。
【ビタミンK】
通常の食生活なら気にする必要はありませんが、サプリメントなどを使用する場合は注意が必要です。
貧血、血圧低下、呼吸困難などの症状があります。
特に気をつけたいのは新生児で、1~2歳の目安量は60μg/日ですが、0歳児の目安量は数値が一桁少なくなります。
新生児に過剰なビタミンKを与えることで、脳などに疾患が生じる場合があります。
【ビタミンB群】
通常の食生活なら気にする必要はありませんが、サプリメントなどによる大量摂取により、まれに過剰症を起こす種類のビタミンBもあります。
【ビタミンC】
通常の食生活なら気にする必要はありませんが、サプリメントなどによる大量摂取により、下痢などを発症することがあります。
ビタミンの一日の摂取量の基準は?
ビタミンの過剰摂取を防ぐためには、各ビタミンの一日の摂取基準量を知ることが必要です。
以下のWebページにわかりやすくまとめられた表がありますので、参考にしてください。
↓
グリコ 日本人の食事摂取基準(2015年版)
ビタミンのほかにも、ミネラルや三大栄養素についても載っていますので、参考にしてください。
自分の年齢や性別に対応した上限量を超えない範囲で摂取するように心がけてください。
また、妊婦や授乳中の女性の場合には、また別枠で定められているので、ご注意ください。
上記の表の元データ(PDF)を以下に挙げておきます。厚生労働省が示した2015年度の基準の概要です。
↓
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2015年版)の概要」(PDF)
ビタミンの飲み合わせやタイミングの注意
サプリメントなどでビタミンを摂る場合の注意点をいくつか挙げておきます。
●飲み合わせ
- 水で飲む
- 薬との飲み合わせ
- マルチビタミン・ミネラル
基本的には水で飲むのが良いです。
中には特定のビタミンの吸収を良くしてくれるような飲み合わせの良い飲み物もありますが、お茶やコーヒーのように逆に吸収を悪くしてしまう飲み物もあるため、水で飲むのが安全です。
ビタミンやミネラルの中には、併用することで薬の効き目を弱めてしまうような飲み合わせがあります。
詳しくは、お医者さんや薬剤師さんに聞いてみましょう。
サプリメントを利用する場合は、単品のビタミンよりも、マルチビタミン(ミネラル)の商品を利用する方が良いです。
理由は、ビタミンやミネラルは単体としてではなく、互いに協力して働くからです。
また、ビタミンの単品買いでは、どうしても見逃してしまい不足するビタミンが出てきます。
●飲むタイミング
- 飲む頻度
- 飲むタイミング
脂溶性ビタミンは体内に蓄積されるため、一日一回の摂取で全く問題ありまん。
水溶性ビタミンは、尿から排泄されて体内に蓄積されないため、できれば一日数回に分けて飲むのが望ましいです。
マルチビタミンと仮定して考えると、食事の後に飲むのが良いでしょう。
理由は、ビタミンCなど酸性度の高いものは、空腹時に飲むと胃腸に負担がかかる場合があるからです。
サプリメントに含まれる栄養素によっては、食事と食事の間に摂ったほうが効果が高いものもあります。
また、水溶性ビタミンは摂取した3~4時間後に排泄されるため、食事でもビタミンを摂ることを考えると、食事と食事の間にサプリメントを飲むことで、一日の中でこまめにビタミンを摂ることができます。
ただし、「食後にサプリメントを飲む」と決めておいた方が、飲み忘れしにくいので、食後に飲むことをおすすめします。
まとめ
食事でのビタミン過剰摂取については、あまり気にする必要はないと思いますが(むしろビタミン不足の方を気にした方が良いかもしれません)、サプリメントで不足量をカバーしようとする場合には、過剰摂取に注意しましょう。
特に、妊婦の方や小さい子供は注意が必要です。
サプリメントを上手に使って、健康な毎日を過ごしましょう♪